9/13付けで米国ACS出版社の学術論文雑誌ACS MACRO Letters から、星型高分子（スターポリマー）の相分離構造に関する論文「Complex Self-Assembled Morphologies of Thin Films of an Asymmetric A3B3C3 Star Polymer（非対称A3B3C3型スターポリマーの複雑な自己組織構造）」がOn-lineで発表されました。

アブストラクトはこちら。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/mz400363k

　韓国・浦項工科大のMoonhor Ree先生、東工大名誉教授の平尾明先生との共著です。なんと、東原が東工大・平尾研所属のころの10数年前に合成した非対称スターポリマー（ヘテロアームスターポリマーとも呼ばれる）のサンプルについて、Ree先生らのグループに斜入射小角X線散乱法（GISAXS）という特殊な方法で観察していただいた結果、最近になって新しい事象がいろいろ分かってきたのです。

　分岐構造と２種類以上のポリマーからなる異相構造を併せ持つ"キテレツ"な構造の非対称スターポリマーは、これまで合成化学者の単なる趣味の研究と揶揄されたこともありました。苦節10数年、Ree先生グループの地道な研究の成果により、非対称スターポリマーは再び長い眠りから覚めるのでしょうか？？もしかしたら、太陽電池光電変換層の理想構造を実現するためのヒントになるかもしれません。本分野の今後の発展が楽しみですね。

文責：東原