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2014年02月27日 大学とビジネスその2

 今年度採択されたNEDO事業化支援教育プロジェクト「Technology Commercialization & Venture Partnership Program」の国内版の最終報告会(2月23日・東京・日本橋)と海外版のメンタリング会(2月25日・川崎)が終了しました!

http://www.nedo.go.jp/news/other/ZZCA_100006.html

 

 そこで、将来、我々の研究成果を基に事業化するために、以下の課題が明らかになりました。

 

(1)提案ビジネスプランはポリマー材料の製造という性質から、山形大でプラントを建てて量産するよりも、特許に基づくライセンス契約で事業化を推進するか、現時点での事業化を考えるよりも、山形大の現有機エレクトロニクス部隊のチーム(コンソーシアムなど)における素材合成担当として、最終製品(RF-IDタグや有機太陽電池シートなど)の出口からのビジネスに貢献する役割にとどめるのかの選択が妥当である。

 

(2)前者を選択した場合、ライセンス契約の顧客の選定と条件(現ポリマー製造メーカーに本技術採用のチャンスをどう得るのか、条件を誰とどのように交渉するか)が重要。

 

(3)本技術対象の有機材料の売り上げ予測が2桁小さい(現在向こう10年で30億程度、1000億円を超えないと勝負できない)。シリコン半導体のマーケットをどうやって有機材料にシフトさせるかが鍵。

 

(4)IP protectionが弱い。提案技術の基本特許が国内しかないのが問題で、今後海外(特にUS,EU)への特許出願を検討することが戦略上重要。

 

 以上を総合的に考え、現段階での事業化より、現山形大有機エレクトロニクス部隊のチームのなかで共同研究しながら、次の合成技術の基本特許を国内と海外の両方で押さえる方向が妥当と判断しました。現状況での事業化は難しいとのビジネス専門家からの意見に沿う形ですが、日本版最終発表会の場では、NEDO理事長他、ベンチャーキャピタル、銀行、また某化学株式会社の技術者に興味を持っていただき、共同研究につながる可能性も出てきましたので、一連の発表会(国内3回・海外2回双方の発表会参加は我々のチームのみでした)での山形大の宣伝活動と併せ、一定の成果を修めることができたものと自負しています。

 

 これも一重に、飯塚工学部長のご推薦と産学連携教授・今野先生のビジネスにおける技術的ご支援をいただいたもので、この場をお借りして、感謝申し上げます。

 

 東原