後藤の論文がWiliy出版社・学術雑誌Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistryのオンラインに掲載されました!
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/pola.27243/abstract
タイトルは「Precision synthesis of regioregular poly(3-hexylthiophene) with low dispersity using zincate complex catalyzed by nickel with ligand of 1,2-bis(dicyclohexylphosphino)ethane」
著者はEisuke Goto, Saki Nakamura, Susumu kawauchi, Hideharu Mori, Mitsuru Ueda and Tomoya Higashiharaです。
亜鉛アート錯体を用いてチオフェンモノマーを精密に重合する手法に関する続報で、用いるNi触媒配位子の立体構造の最適化により従来法を上回る非常に小さい分子量分布と高いリビング性の達成を報告しています。
1年半くらい前に、反応系のリビング性(再現性も)を高めるために苦労していた後藤がある日突然発見した結果です。日曜の朝だったので研究室(当時の上田研究室)には偶然にも後藤と東原先生しかおらず一緒に大喜びしたのを覚えています。触媒構造をいじり始めたら地雷と言われていましたが、何事も試してみるまではわからないなと身をもって感じました。これをモチベーションにしてまた次の結果を出し、論文につなげます。
また幸運にも論文の内容を評価していただき、同雑誌のinside coverを飾ることになっています。そちらを見るのも楽しみです。
最後に、計算化学に基づきスーパーコンピューターTSUBAMEを使ってNi触媒のかさ高さと結合角の大きさを正確に計算していただいた東工大の川内進先生とM2の中村沙季さん、MALDIの測定をやってくれたM2の青柳晃太朗くん、亜鉛アート錯体を提供していただいた東ソーファインケム(株)様、本研究を支援していただいた日本学術振興会(JSPS)http://www.jsps.go.jp/にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
後藤