定例FIRSTプログラムサブユニット会議(東京・田町CIC)に東原が参加してきました。
FIRSTプログラムについてはコチラ
http://first-pg.jp/about-us/kurihara-masaru.html
約4年の大きなプロジェクトで、我々は、サブテーマ「2-b.濃度差エネルギー回収(PRO)」において、新規素材開発を担当しています。
「濃度差エネルギー回収」とは、海水に半透膜(逆浸透膜)を介して大きな圧力を加え、淡水を生み出す海水淡水化(海淡化)過程で排出される濃縮海水と下水処理水などの淡水を半透膜(正浸透膜)で仕切り、淡水側から濃縮海水側へ流れる透水流(正浸透現象)によって水車を回すことで発電し、海淡化過程で消費した電力エネルギーを回収することを意味します。濃度差のある水のエントロピー変化をエネルギーに変えている訳です。
本技術は、海淡化プラントから排出される濃縮海水を海水と同程度に希釈し廃棄することで、環境汚染を低減する上、海淡化における消費電力エネルギーも抑えられる一石二鳥の夢のシステムです。ただし、どのような半透膜やモジュールが最適なのか、まだまだ分からないことがたくさんあります。我々は素材屋の立場から、力学特性、透水性、脱塩性に優れた高分子半透膜の開発を企業と合同で行っています。
文責:東原